転職のやり方ガイド

エンジニアの転職のやり方 完全ガイドエージェント・転職サイト・スカウト・紹介・SNSの使い分け

「転職しよう」と決めたあと、最初に迷うのがどこから求人を探すかです。転職エージェント、転職サイト、スカウトサイト、知り合いの紹介、SNS——経路は大きく5つあり、求人の量も選考の通りやすさも自分にかかる手間もまるで違います。

このガイドでは5つの経路を仕組みから比較し、どれを主軸にしてどう併用するか、そして併用するときに事故らないための注意点まで解説します。

転職の5つの経路を一枚で比較

ポイント

経路ごとの本当の違いは「誰があなたを推してくれるか」です。誰も推してくれない経路ほど書類の完成度が結果を左右し、推薦者がいる経路ほど通過率が上がります。

複数の経路から進む道を選んでいるイラスト

求人を探す方法は5つに整理できます。よく「エージェントとサイトのどちらがいいか」という比べ方をされますが、実際に効いてくるのは選考の場にあなたを推す人がいるかどうかです。

転職サイトからの応募が書類だけで戦うのに対し、リファラルは中の社員が「一緒に働きたい」と保証してくれている状態から始まります。同じ企業を受けても通過率が変わるのはこのためです。

経路誰が推すか求人の量自分の手間通過率
転職エージェント担当者が企業に推薦する多い(非公開求人あり)少ない
転職サイト誰も推さない(書類が全て)いちばん多い多い低め
スカウトサイト企業側から声がかかる待ちの分だけほぼ不要中〜高
リファラル(紹介)中の社員が保証する少ない少ないいちばん高い
SNS・直接応募過去の発信が推薦状になる少ない多い届けば高い

どれか1つに絞る必要はありません。というより1つに絞ると求人の見え方が偏ります

エージェントが持っている求人と、スカウトが届く企業と、知り合いがいる会社は、重なっているようで実際にはかなり違うからです。主軸を1つ決めて、残りを併用するのが現実的な進め方になります。

転職エージェント

初めての転職・年収を交渉したい人

転職サイト

自分で比較して選びたい人

スカウトサイト

急いでいない・市場価値を測りたい人

リファラル(紹介)

社外に知り合いがいる人

SNS・直接応募

技術発信の蓄積がある人

転職エージェント|プロが間に入る王道

ポイント

応募者は無料で使えます。費用は採用企業側が負担する仕組みなので、書類添削から年収交渉まで手厚い支援を受けられます。

エージェントと応募者が面談しているイラスト

エージェントは、あなたを企業に紹介して採用が決まると、採用企業から紹介手数料を受け取ります。応募者側の負担はありません。

そのため応募者は無料で使え、書類添削・面接対策・日程調整・年収交渉まで手厚くやってもらえます。

できること

非公開求人の紹介

公開すると応募が殺到する求人や、後任募集など事情がある求人が回ってくる

書類の添削と推薦

推薦文を添えて出してくれる。企業ごとに刺さる書き方も教えてもらえる

年収交渉の代行

自分では言い出しにくい金額の話を代わりにしてくれる。ここが最大の価値になることも多い

日程調整と内部情報

在職中の面接調整に加え、過去の選考傾向やチームの事情など外から見えない情報が得られる

上手に使うコツ

担当者はあなたの希望を聞いたうえで求人を提案してくれますが、判断基準を先に言葉にしておくと提案の精度が上がります。譲れない条件・避けたい条件・迷っている点を、最初の面談で伝えておきましょう。

2〜3社を併用して比較の軸を持つことも有効です。担当者によって得意な業界や持っている求人が違うため、複数の視点で見ると自分の市場価値や選択肢を立体的に把握できます。

担当者との相性が合わないと感じたら、担当変更を申し出て構いません。多くのエージェントで用意されている通常の手続きです。

IT特化型と総合型の使い分け

IT特化型は担当者が技術の話を理解できるため、経歴の翻訳が正確で、技術志向の求人に強い傾向があります。総合型は求人数が多く、業界を横断して探せます。

エンジニアならIT特化型を主軸に、視野を広げる目的で総合型を1社という組み方が噛み合います。

転職サイト・スカウトサイト|自分のペースで動く

ポイント

転職サイトは「自分で探して自分で出す」、スカウトサイトは「登録して待つ」。似ているようで、必要な準備も始めるべき時期も違います。

転職サイト|求人数は最多、ただし全部自分でやる

自分で検索して応募する形式で、求人数はどの経路よりも多くなります。間に人が入らないので、興味のある企業を自分のペースで、誰にも急かされずに選べます。

一方で書類添削も面接対策も日程調整もなく、あなたを推薦する人が誰もいない状態で書類が読まれます。人気企業には応募が集まるため、書類だけで判断される厳しさもあります。

この経路を主軸にするなら、職務経歴書の完成度がそのまま結果になると考えてください。

スカウトサイト|待ちながら市場価値を測れる

経歴を登録しておくと企業や人材紹介会社から声がかかる形式です(ダイレクトリクルーティング)。最大の利点は、転職するかまだ決めていない段階でも始められることです。

どんな企業から、どのくらいの年収レンジで声がかかるかは、そのまま現在の市場価値の目安になります。登録して放置しておくだけでも情報が入ってきます。

届くスカウトの質はまちまちです。見分ける基準は「自分の経歴に触れているかどうか」の一点で、職種名と年収レンジしか書いていないものは一斉送信です。

経験や実績に具体的に言及しているものだけ返信すれば足ります。スカウトの数と質は登録した経歴の内容で決まるので、ここでも職務経歴書がそのまま母数を左右します

在職中に使う場合は、登録したらまず現職とグループ会社をブロック設定してください。多くのサービスに機能があります。

登録する経歴の書き方そのものは職務経歴書の書き方ガイドにまとめています。

リファラル(知り合いの紹介)|通過率がいちばん高い

ポイント

通過率が高いのは、コネで甘くなるからではありません。採用でいちばん読み違えやすい「一緒に働けるか」を、中の社員が保証してくれるからです。

採用側にとって最大のリスクは、スキルのミスマッチよりも入ってみたら合わなかったという事態です。書類と数回の面接でこれを見抜くのは難しい。

リファラルはそこを、実際に一緒に働いたことがある社員の「この人となら働ける」という証言で埋めます。だから書類選考が省かれたり、いきなりカジュアル面談から始まったりします。

多くの企業にはリファラル採用の報酬制度があり、紹介した社員にも数十万円単位のインセンティブが出ます。「頼んだら迷惑では」と遠慮しがちですが、紹介する側にもメリットがある仕組みだと知っておくと頼みやすくなります。

頼み方のコツ

求人の有無から聞かない

「募集ありますか」だと相手に調べる手間を負わせる。「いまこういうことがしたくて探している」と状況を伝えるほうが動いてもらいやすい

断りやすさを先に渡す

「合わなければ普通に見送ってください」と先に言っておくと、紹介する側の心理的負担が減る

職務経歴書を先に渡す

社内で回すときに必要になる。口頭の説明より正確に伝わり、紹介者の手間も減らせる

結果は必ず報告する

受かっても落ちても連絡する。放置がいちばん関係を損なう

この経路の弱点

いいことばかりではありません。求人の選択肢は知り合いがいる会社に限られますし、紹介者の顔が立つぶん、条件交渉や辞退を切り出しにくくなります。

落ちたときに気まずさが残ることもあります。主軸にはしづらく、他の経路と併用する前提で考えるのが現実的です。

なお、この経路は転職を考え始めてから作るのでは間に合いません。前職の同僚、勉強会やカンファレンスで会った人、OSSやコミュニティでのやりとり——そうした普段の関係がそのまま資産になります。

SNS・直接応募|発信が武器になる経路

ポイント

技術発信の蓄積があると「初めて応募してきた人」ではなく「知っている人」として扱われます。エンジニアに固有の強い経路です。

スマホでスカウト通知を確認しているイラスト

X(旧Twitter)で採用担当者や現場のエンジニアと接点を持つ、企業の採用ページから直接応募する、GitHubやZennの発信を見た企業から声がかかる——このあたりをまとめて「SNS・直接応募」と呼んでいます。

強みは2つあります。ひとつは技術的な発信そのものが推薦状として機能すること。

書いたコードや記事は、職務経歴書に「できます」と書くより雄弁です。もうひとつは、直接応募なら企業が紹介手数料を負担せずに済むため、採用のハードルが実質的に下がる場合があること。

そのぶん年収の交渉余地が生まれることもあります。

弱点もはっきりしています。求人を体系的に探せないので網羅性がなく、成果が出るかどうかは過去の発信の蓄積に左右されます。

転職を決めてから発信を始めても、すぐには効きません。またSNSで転職活動を公言すれば現職に見られる前提になります。

主軸ではなく、他の経路を補強するものとして位置づけるのが妥当です。

経路の組み合わせ方と進め方

ポイント

順番があります。「待つ」経路を先に仕込み、「攻める」経路を後から動かすと、選考の時期が揃って比較して決められます。

複数の経路を使うとき、全部を同時に始めると失敗します。スカウトやリファラルは声がかかるまでに時間がかかる一方、エージェント経由の応募は面談の翌週には選考が始まります。

同時に走らせると内定の出る時期がバラバラになり、最初に出た内定の返事を待たせながら他社を受けるという、いちばん苦しい展開になります。

1書類をつくる

職務経歴書がないと、どの経路も始められない

2「待ち」を仕込む

スカウト登録と紹介の打診。声がかかるまで時間がかかるので最初に

3「攻め」を動かす

エージェント面談と転職サイトの応募。ここから急に忙しくなる

4本命は最後に

面接に慣れてから第一志望を受ける。練習台にする企業は作らない

※ スカウトと紹介は「声がかかるまで待つ」経路なので、早い段階で仕込んでおくと エージェント経由の選考と時期が揃い、比較して決められます

いちばん事故りやすいのが重複応募

複数経路を使うときに必ず気をつけたいのが、同じ企業に違う経路から応募してしまうことです。企業側では紹介手数料をどちらに払うかの問題になり、確認のやりとりが発生します。

面倒を避けて選考を止める企業もあり、損をするのは応募者です。

防ぎ方は単純で、応募先と経路と日付を一覧で管理し、エージェントから求人を紹介されたら「そこはもう直接出していないか」を毎回確認するだけです。スプレッドシート1枚で足ります。

全経路に共通して必要なのが職務経歴書

5つの経路を見てきましたが、どの経路でも最初に求められるのは職務経歴書です。エージェントは面談前に提出を求め、スカウトサイトは登録内容がそのままスカウトの母数を決め、リファラルでは紹介者が社内で回すために必要になり、直接応募では書類が全てです。

つまり経路をどう選ぶかより先に、書類を作っておくことが全ての前提になります。

このサイトの作成ツールは、担当工程マトリクスや実績欄を備えたテンプレート10種から選んで、ステップ入力するだけでA4のPDFを作れます。登録不要・無料で、データはブラウザ内にのみ保存されます。

まだ転職の方向が固まっていないなら、先に働き方診断で適性を見てから書き始めるのもおすすめです。動き出す時期の考え方は転職時期の選び方、面接の準備は面接練習の完全ガイドにまとめています。

よくある質問

Q.転職エージェントは何社くらい使うべきですか?

2〜3社が現実的です。1社だけだとその担当者が持っている求人と価値観に視野が限定され、逆に5社を超えると面談・日程調整・連絡対応だけで消耗して在職中は回りません。IT特化型を1〜2社、視野を広げるための総合型を1社、という配分がよく機能します。同じ求人を複数のエージェントから紹介されることもあるので、どの求人をどこ経由で応募したかは自分で一覧管理してください。

Q.スカウトメールが大量に来ますが、全部見るべきですか?

全部読む必要はありません。見分ける基準は「自分の経歴に触れているか」の一点です。職種名と年収レンジだけのテンプレートは一斉送信で、返信しても定型のフローに乗るだけです。一方「この経験が、いま募集しているポジションのここに効く」と具体的に書かれたスカウトは、担当者が実際に経歴を読んでいます。後者だけ返信すれば十分で、それだけでもそれなりの数になります。

Q.知り合いの紹介で落ちたら気まずくないですか?

気まずさは実際にあります。ただ紹介した側も「推薦はするが決めるのは会社」と理解しているのが普通なので、多くの場合は想像するほど深刻になりません。和らげるコツは、紹介を頼む時点で「もし合わなければ普通に見送ってください」と先に言っておくことです。逆に避けたいのは、紹介してもらったのに結果の連絡を放置することで、これは選考結果より確実に関係を損ないます。

Q.エージェント経由と直接応募で、同じ企業に両方出せますか?

やめてください。企業側では応募経路が重複すると紹介手数料をどちらに払うかで揉めることになり、面倒を避けるために選考そのものが止まる場合があります。基本は先に応募が届いたほうが有効とされますが、確認のやりとりで時間を取られるのは応募者にとって不利です。エージェントから求人を紹介されたら「その企業に直接応募していないか」を毎回自分で確認し、応募先と経路は一覧で管理しましょう。

Q.在職中に転職活動していることを、いまの会社に知られませんか?

スカウトサイトの多くには、特定の企業に自分の情報を見せない「ブロック機能」があります。登録したらまず現職とグループ会社をブロックしてください。実名で公開レジュメを出す形式のサービスでは、この設定を必ず確認します。なおSNSで転職活動を公言する場合は現職に見られる前提になるので、そこは割り切って使い分けることになります。

どの経路で動くにしても、まず書類から

エージェント面談もスカウト登録も紹介も、職務経歴書がないと始まりません。 テンプレート10種・履歴書対応・登録不要の作成ツールで、まず経歴を棚卸ししてみてください。

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